特定技能制度が始まってから数年が経過し、特定技能1号として日本で経験を積んだ外国人材の中から、特定技能2号を目指す方が増えています。
実際、特定技能2号の在留外国人数は大きく増加しています。
出入国在留管理庁の公表資料によると、2025年12月末時点の特定技能2号在留外国人数は7,955人で、2025年6月末の3,073人から約2.6倍となりました。
また、技能試験についても、2025年12月末までの累計では、特定技能2号の技能試験合格者数が20,421人となっています。2025年6月末の10,349人と比較すると、合格者が大きく増加していることが分かります。
今後、「特定技能2号試験に合格したので、在留資格を変更したい」という相談は、さらに増えていくことが予想されます。
では、試験に合格すれば自動的に特定技能2号になれるのでしょうか。
結論からいうと、試験合格だけでは特定技能2号への変更は完了しません。
試験合格後には、勤務先・雇用契約・実務経験などを含めた要件を確認したうえで、出入国在留管理庁へ在留資格変更許可申請を行う必要があります。
1.そもそも特定技能2号とは?
特定技能2号は、特定産業分野において「熟練した技能」を要する業務に従事する外国人のための在留資格です。
特定技能1号には原則として通算5年という在留期間の上限がありますが、特定技能2号は更新を続けることで、在留期間の上限なく日本に在留することができます。
また、要件を満たせば、配偶者や子について「家族滞在」の在留資格を取得できる点も、特定技能1号との大きな違いです。
現在、特定技能2号の対象分野は、介護を除く複数の分野に広がっています。
ただし、分野によって試験、実務経験、業務内容などの要件が異なるため、「2号試験に合格したから変更できる」と考えるのは危険です。
2.特定技能2号試験に合格したら、次に何をする?
基本的な流れは次のようになります。
① 特定技能2号の要件を確認
↓
② 勤務先・雇用契約を確認
↓
③ 実務経験等の立証資料を準備
↓
④ 特定技能2号の申請書類を準備
↓
⑤ 在留資格変更許可申請
↓
⑥ 審査
↓
⑦ 許可後、特定技能2号として活動開始
特に重要なのが、①から③です。
試験に合格していても、本人の職歴や現在の業務内容、雇用条件、所属機関の要件などを確認すると、追加資料が必要になるケースがあります。
3.特定技能2号への変更は「試験合格証」だけではない
特定技能2号の在留資格変更許可申請では、申請人本人に関する書類だけでなく、所属機関に関する書類、分野に関する書類などを組み合わせて提出することになります。
出入国在留管理庁が公表している特定技能2号の在留資格変更許可申請用の提出書類一覧では、申請人・所属機関・分野に関する書類が整理されています。
さらに、2026年10月1日にも「特定技能」に係る提出書類一覧表が改定されています。
つまり、以前に特定技能1号の申請をしたときと同じ感覚で書類を準備するのではなく、申請時点の最新の提出書類一覧を確認することが重要です。
4.特に確認したいのが「実務経験」
特定技能2号では、分野によって一定の実務経験などが求められます。
そのため、
- いつからその仕事をしていたのか
- どのような業務に従事していたのか
- どの会社・事業所で勤務していたのか
- どの業務区分に該当するのか
- 必要な実務経験をどのような資料で証明するのか
といった点を確認する必要があります。
ここで注意したいのが、「外国人本人が実際にやっていた仕事」と「会社が特定技能2号として従事させようとしている仕事」が一致しているかという点です。
試験に合格している場合でも、実際に予定している業務が特定技能2号の対象業務に該当しなければ、別途確認が必要になります。
5.特定技能1号と2号では「支援」の扱いも違う
特定技能1号では、受入れ機関または登録支援機関による支援が制度上重要になります。
一方、特定技能2号は、特定技能1号とは異なり、登録支援機関による支援の対象外です。
そのため、1号から2号へ変更する場合には、
「今まで登録支援機関に任せていたから、2号も同じで大丈夫」
と考えるのではなく、2号への変更後に企業側で何を管理する必要があるのかを整理しておくことが重要です。
6.2号変更申請は「合格した後」から準備するのでは遅い場合も
特定技能2号を目指す外国人がいる企業では、試験に合格してから初めて準備を始めるのではなく、合格前から要件確認をしておくことをおすすめします。
特に、
- 実務経験の証明
- 業務内容
- 雇用条件
- 所属機関の要件
- 分野別の追加要件
- 現在の在留期限
については、早めに確認しておくと安心です。
在留資格変更許可申請は、現在の在留資格から特定技能へ活動内容を変更するための手続です。出入国在留管理庁も、変更する活動に応じて速やかに申請するよう案内しています。
7.特定技能2号への変更を行政書士に依頼するメリット
特定技能2号の申請では、「試験に合格している」という事実だけではなく、本人の経歴、業務内容、企業側の要件、分野別要件などを総合的に確認する必要があります。
そのため、特定技能2号への変更を予定している場合には、
「試験に合格したら行政書士に依頼する」
だけではなく、
「2号を目指せる段階から行政書士に相談する」
という方法もあります。
特に、現在の勤務内容や過去の職歴に不明確な部分がある場合は、早めに確認しておくことで、申請直前になって資料不足が判明することを防ぎやすくなります。
まとめ
特定技能2号は、今後さらに活用が進むことが見込まれる在留資格です。
実際に、特定技能2号の在留外国人数は2025年に大きく増加しており、2号試験の合格者数も増えています。
ただし、
「試験に合格=2号への変更ができる」
というわけではありません。
試験合格後は、
- 実務経験
- 業務内容
- 雇用契約
- 所属機関
- 分野別要件
- 必要書類
を一つずつ確認する必要があります。
特定技能2号への変更を予定している場合は、在留期限も含めて早めに準備を始めましょう。
特定技能2号の変更申請について、現在の在留資格、分野、職歴、試験合格状況などを確認したうえで、必要書類を整理することが重要です。

