人手不足の解消を目的として、特定技能外国人の採用を検討する企業が増えています。
一方で、「特定技能外国人を採用するには、どのくらい費用がかかるの?」「採用してから実際に働き始めるまで、どのくらいの期間が必要なの?」と疑問を持つ企業も少なくありません。
特定技能外国人の採用にかかる費用は、採用する人材が「日本国内にいるのか」「海外から呼び寄せるのか」、また「人材紹介会社を利用するのか」などによって大きく異なります。
今回は、特定技能外国人を採用する際に発生する主な費用と、入社までの流れについて解説します。
1.特定技能外国人の採用にかかる主な費用
特定技能外国人の採用にかかる費用は、大きく分けると以下のようになります。
- 人材紹介料
- 在留資格申請にかかる費用
- 登録支援機関への支援委託費
- 海外から呼び寄せる場合の渡航費
- 住居の準備費用
- その他、採用・受入れに必要となる費用
すべての企業でこれらの費用が発生するわけではありません。
例えば、日本国内にすでに在留している特定技能外国人を採用する場合は、海外からの渡航費や現地の送出機関に関する費用が不要となるケースがあります。
一方、海外から新たに人材を呼び寄せる場合は、採用ルートによっては人材紹介料や送出機関に関する費用、航空券代などが必要となる場合があります。
そのため、「特定技能外国人の採用費用はいくら」と一律に考えるのではなく、採用する人材や採用方法に応じて総額を考えることが重要です。
2.人材紹介料
特定技能外国人を採用する際に、人材紹介会社を利用する場合は紹介手数料が発生することがあります。
紹介手数料は、紹介会社や採用する国籍、採用ルート、職種などによって異なります。
また、海外から人材を呼び寄せる場合には、採用する国や制度によって、現地の送出機関等に関する費用が発生する場合もあります。
特に海外採用では、紹介手数料だけを見るのではなく、在留資格申請、渡航、住居準備、入国後の支援などを含めた「採用から入社までの総額」で比較することが大切です。
3.在留資格の申請にかかる費用
特定技能外国人を採用する場合、海外から呼び寄せるケースでは「在留資格認定証明書交付申請」、すでに日本に在留している外国人を採用するケースでは、状況に応じて「在留資格変更許可申請」などの手続きが必要になります。
行政書士などの専門家に申請手続きを依頼する場合は、その報酬が発生します。
申請の内容や外国人本人の状況、受入れ企業の状況などによって必要な手続きが異なるため、採用を決めた段階で、どのような申請が必要になるのかを確認しておくことが重要です。
4.登録支援機関への支援委託費
特定技能1号外国人を受け入れる場合、受入れ企業には、外国人が日本で安定して生活し、仕事を行えるように必要な支援を実施することが求められます。
企業が自社で支援を実施することもできますが、登録支援機関に支援を委託することも可能です。
登録支援機関に委託する場合は、一般的に月額の支援委託費が発生します。
支援の内容には、例えば以下のようなものがあります。
- 入国前の事前ガイダンス
- 空港等への送迎
- 住居の確保や生活に必要な契約の支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続きへの同行
- 日本語学習機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 定期的な面談
- 定期的な面談に関する届出等の対応
登録支援機関を選ぶ際は、単純に「月額費用が安い」という理由だけで決めるのではなく、どこまでの支援を行ってくれるのか、外国人本人が相談しやすい体制があるのか、母国語での対応が可能なのかなどを確認することが重要です。
特定技能外国人の定着には、採用後の支援体制が大きく関係するため、採用コストだけでなく、支援の質も含めて比較する必要があります。
5.海外から呼び寄せる場合に必要となる費用
海外在住の外国人を採用する場合は、日本国内にいる外国人を採用する場合と比べて、追加の費用が発生することがあります。
例えば、
- 海外からの渡航費
- 空港から住居までの送迎費
- 入国前の準備費用
- 住居の初期費用
- 家具・家電等の準備費用
などです。
特に住居については、外国人本人が自分で契約することが難しいケースもあるため、受入れ企業や登録支援機関によるサポートが必要になる場合があります。
このような費用も含めて、採用前に「最終的にいくら必要になるのか」を確認しておくと安心です。
6.特定技能外国人の採用から入社までの期間
特定技能外国人の採用から入社までにかかる期間も、採用ルートによって異なります。
日本国内に在留している外国人を採用する場合は、在留資格の変更手続きが必要になることがあります。
一方、海外から呼び寄せる場合は、採用面接、雇用契約、在留資格認定証明書交付申請、査証取得、渡航など、複数の手続きが必要になるため、国内採用よりも時間がかかる傾向があります。
また、外国人本人が必要な試験に合格していない場合には、試験の受験や合格を待つ必要があります。
そのため、「採用を決めればすぐに働いてもらえる」というわけではありません。
人手不足の解消を目的として特定技能外国人を採用する場合は、実際の入社時期から逆算して、余裕を持った採用計画を立てることが重要です。
7.採用コストだけでなく「人材の質」と「支援の質」も重要
特定技能外国人の採用では、できるだけ費用を抑えたいと考えるのは当然です。
しかし、採用時の費用だけを基準にしてしまうと、「日本語でのコミュニケーションが難しい」「入社後の生活支援が十分ではない」「相談できる人がいない」といった問題につながる可能性があります。
特定技能外国人の採用では、
「採用にいくらかかるか」
だけではなく、
「どのような人材を採用できるのか」
「入社までにどのくらいの期間がかかるのか」
「入社後にどのような支援を受けられるのか」
「外国人本人が安心して働ける環境をつくれるのか」
という点まで含めて検討することが大切です。
採用コストが安くても、入社後に早期退職してしまえば、再度採用活動を行うための費用や時間が必要になります。
長期的に働いてもらうためには、採用時のコストと採用後の定着を総合的に考えることが重要です。
まとめ
特定技能外国人の採用には、人材紹介料、在留資格申請費用、登録支援機関への委託費、渡航費、住居準備費用など、さまざまな費用が発生する可能性があります。
また、海外から呼び寄せる場合と日本国内に在留する外国人を採用する場合では、必要となる費用や入社までの期間も異なります。
「思っていたより採用費用が高い」
「入社までに時間がかかりそう」
という理由で、特定技能外国人の採用を躊躇される企業様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、採用ルートや人材の探し方、登録支援機関の選び方によって、採用にかかる初期費用や入社までの流れは大きく変わる可能性があります。
特定技能外国人の採用コストや入社までの期間について躊躇されている企業様は、ぜひ当事務所にご相談ください。
当事務所では、人材サービスおよび登録支援機関で約8年の業務経験を持ち、さらに行政書士としての立場から、企業様の採用状況やご希望に応じた特定技能外国人の採用方法についてご相談を承っております。
導入コストを抑えながらも、日本語力の高い人材を採用でき、入社後も質の高い支援を受けられる登録支援機関をご紹介することも可能です。
「できるだけ採用コストを抑えたい」
「日本語力の高い人材を採用したい」
「採用から入社までの期間を短くしたい」
「信頼できる登録支援機関を探している」
このようなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひお気軽に当事務所へご相談ください。
企業様の状況に合わせて、採用から在留資格の手続き、入社後の支援まで、特定技能外国人の受入れを総合的にサポートいたします。

