【見極める4つのポイント】
1.面談は「訪問しないと意味がない」オンラインだけで終わっていませんか。
2.相談対応記録を確認していますか?外国人からの「相談」は必ず記録しなければいけません
3.入国2年でN2やN3に合格していますか?日本語学習支援が実際に行われていない可能性があります。
4.特定技能2号や資格取得に向けた「受験・取得計画」が提案されていますか?
特定技能外国人を受け入れている企業にとって、登録支援機関は単に「入管の手続きをしてくれる会社」ではありません。
外国人が日本で安心して働き、生活し、そして長く戦力として活躍していくためには、受入れ後の支援が非常に重要です。
しかし、
「毎月支援費を払っているけれど、実際にどんな支援をしているのか分からない」
「面談はオンラインだけで、本当に本人と話ができているのか分からない」
「外国人から相談があったとき、きちんと対応しているのだろうか」
「特定技能2号への受験はいつになるか計画がわからない」
「日本語能力がなかなか伸びない」
このような不安を感じている企業も少なくありません。
そこで今回は、現在お付き合いしている登録支援機関が、きちんと支援業務を行っているかを確認するためのポイントをご紹介します。
1.面談は「訪問しないと意味がない」オンラインだけで終わっていませんか。
特定技能外国人への面談は、現在、一定の要件のもとでオンラインによる実施も認められています。
そのため、「オンライン面談だから問題がある」ということではありません。
しかし、ここで一度考えていただきたいことがあります。
日本語や日本の文化にまだ不慣れな外国人と、オンラインだけで十分なコミュニケーションが取れるでしょうか?
そして、
外国人本人にとって、本当に相談しやすい環境になっているでしょうか?
日本語が十分に話せない外国人の場合、オンラインの画面越しでは、言葉にできない困りごとや表情の変化、職場での人間関係などを十分に把握することが難しい場合があります。
また、
「会社に言ったら迷惑をかけるかもしれない」
「こんなことを相談していいのか分からない」
「日本語でうまく説明できない」
と考えて、相談すること自体をためらっている外国人もいます。
だからこそ、定期的な面談では、単に決められた項目を質問して終わるのではなく、外国人本人が安心して話せる関係をつくることが重要です。
可能な場合には実際に職場や生活環境を訪問し、外国人本人と直接顔を合わせて話すことも、状況を把握するための有効な方法です。
例えば、
- 本人が本当に困っていることはないか
- 職場で孤立していないか
- 仕事についていけているか
- 生活環境に問題はないか
- 日本人社員とのコミュニケーションに問題はないか
- 本人から相談しやすい関係ができているか
こうしたことは、形式的なオンライン面談だけでは見えにくいことがあります。
さらに重要なのが、面談を実施した後の記録と対応です。
面談をしたのであれば、
「いつ面談したのか」
「どのような話をしたのか」
「問題はなかったのか」
「問題があった場合、どのように対応したのか」
まで、きちんと記録されているか確認してみてください。
定期面談は「実施した」という事実を残すためだけのものではありません。
外国人の状況を把握し、必要な支援につなげるための重要な機会です。
「毎回オンラインで30分話しています」
だけで終わっていないか。
そんな登録支援機関は見直した方がいいと思います。
2.相談対応記録を確認していますか?外国人からの「相談」は必ず記録しなければいけません
特定技能外国人が日本で生活していれば、さまざまな相談が発生します。
例えば、
- 給料や勤務について
- 生活上の困りごと
- 病院や行政手続について
- 日本語について
- 住居について
- 職場の人間関係について
- 将来の仕事や資格について
などです。
登録支援機関にとって、こうした相談への対応は重要な支援業務の一つです。
そして、相談・苦情対応が発生した場合には、相談記録書(参考様式第5-4号)を作成し、対応結果まで記載することが求められています。
そこで企業側としては、
「外国人から相談があった場合、どのように対応していますか?」
「相談記録はきちんと残していますか?」
と確認してみるのも一つの方法です。
もちろん、相談内容には外国人本人のプライバシーに関わるものもあります。
重要なのは、会社に何でも報告することではありません。
外国人から相談を受け、それを放置せず、必要な対応を行い、その経過を適切に記録しているか。
ここを確認することが大切です。
3.入国2年でN2やN3に合格していますか?日本語学習支援が実際に行われていない可能性があります。
特定技能外国人を長期的に戦力化していく上で、日本語能力は非常に重要です。
登録支援機関の支援には、日本語学習の機会の提供・情報提供なども含まれています。支援の実施状況についても、管理簿に記録することが求められています。
そこで企業として確認したいのが、
「入国したときから、日本語能力がどれだけ伸びたのか」
という点です。
例えば、
- 日本語学校やオンライン講座を紹介しているか
- 日本語学習の方法を本人に提案しているか
- JLPTなどの試験を受験するよう促しているか
- N4からN3、N3からN2など、具体的な目標を設定しているか
- 学習状況を定期的に確認しているか
といった点です。
もちろん、すべての特定技能外国人が必ずN3やN2を取得しなければならないという制度ではありません。
しかし、
「日本語能力をどこまで伸ばしていくのか」
という目標を持って支援することは、外国人本人にとっても、企業にとっても大きな意味があります。
日本語ができるようになれば、職場でのコミュニケーションが円滑になり、仕事を任せられる範囲も広がっていきます。
入国2年でまだN4は日本語の教育支援をやっていないと言わざる得ないと私は思います。
4.特定技能2号や資格取得に向けた「受験・取得計画」が提案されていますか?
もう一つ確認していただきたいのが、特定技能外国人の将来に向けた具体的な計画があるかという点です。
特定技能外国人を「今の人手不足を補う人材」として受け入れるだけではなく、
「この人を数年後にどのような人材に育てていくのか」
まで考えているでしょうか。
例えば、特定技能2号の対象となる分野であれば、
- 特定技能2号を目指せるのか
- どのような要件が必要なのか
- どの試験を受験する必要があるのか
- いつ頃から受験を目指すのか
- 現在の本人の能力から見て、何が不足しているのか
- 次回の試験に向けて、どのような学習をするのか
といった具体的な受験計画まで提案されているでしょうか。
「将来は特定技能2号を目指しましょう」
という一言だけではなく、
「いつまでに、何を準備して、いつ試験を受けるのか」
まで計画されているかが重要です。
特定技能2号の試験は分野ごとに実施要領や要件が異なります。現在も出入国在留管理庁が分野別の2号試験情報を公表しています。
そのため、登録支援機関が制度を把握したうえで、本人の現在の状況に合わせて具体的なスケジュールを提案できるかどうかは、大きなチェックポイントになります。
介護分野なら「実務者研修」の取得計画がありますか?
介護分野については、現在の特定技能制度では特定技能2号の対象分野ではありません。
そのため、介護の特定技能外国人に対して、
「特定技能2号の試験を受けましょう」
という支援をするのではありません。
一方で、介護分野で長く働いてもらい、将来的により高い専門性を身につけてもらうのであれば、介護福祉士の取得を見据えたキャリア形成を考えることが重要です。
そこで確認していただきたいのが、
「実務者研修の取得スケジュールまで提案されていますか?」
ということです。
例えば、
「実務者研修を受講した方がいいですよ」
という説明だけで終わっていないでしょうか。
本当に必要なのは、
「いつから受講するのか」
「どの学校・講座を利用するのか」
「いつ修了する予定なのか」
「その後、介護福祉士国家試験をいつ受験するのか」
というところまで考えた計画です。
例えば、
実務者研修の受講先を決める
↓
受講開始・修了
↓
実務経験を積む
↓
介護福祉士国家試験を目指す
というように、本人の在留期間や勤務状況などを考慮しながら、早い段階でスケジュールを組むことができます。
こうした提案をしてくれる登録支援機関なのかどうかを、一度確認してみてください。
「試験を受けてください」だけではなく、「いつ受けるか」まで考えているか
登録支援機関を選ぶ際には、
「支援してくれているか」だけではなく、「外国人の成長を具体的に考えてくれているか」
という視点も重要です。
日本語学習についても、
「日本語を勉強してください」
ではなく、
「○月のN3試験を目標にしましょう」
と具体化する。
特定技能2号を目指せる分野であれば、
「○年○月頃の2号試験を目標に、今からこの準備を始めましょう」
と計画する。
介護であれば、
「○月から実務者研修を受講し、○年の介護福祉士国家試験を目指しましょう」
といった形で、具体的なスケジュールに落とし込む。
このような支援ができるかどうかによって、外国人本人の成長スピードは大きく変わってきます。
そして、それは最終的には、
「いつから会社の戦力として活躍できるのか」
という企業側の問題にもつながります。
登録支援機関を選ぶときには、月々の支援費だけを見るのではなく、
「この登録支援機関は、外国人の1年後、2年後まで考えてくれているか?」
という視点で確認してみてはいかがでしょうか。
登録支援機関によって「人材の成長スピード」は変わります
登録支援機関の仕事は、単に書類を作ったり、定期面談をしたりするだけではありません。
外国人が、
日本語を学ぶ
↓
仕事を覚える
↓
資格を取得する
↓
任せられる仕事が増える
↓
長く働く
という流れを作っていくことも、企業にとって非常に重要です。
例えば、同じ時期に入社した外国人でも、
「日本語の勉強をしてください」
と伝えるだけなのか、
「半年後にN3を目指しましょう。そのために毎週○時間勉強し、○月の試験を受験しましょう」
と具体的な計画を立てるのかでは、取り組み方が変わります。
資格取得についても同じです。
「資格を取った方がいいですよ」
で終わるのか、
「この資格をこの時期に取得しましょう。そのためにはこの学校・この日程が利用できます」
というところまで提案するのか。
こうした積み重ねが、将来的な人材の成長につながります。
そして、人材が早く成長し、より多くの仕事を任せられるようになれば、企業にとっては採用・教育・人材不足にかかるコストの削減にもつながっていきます。
「今の登録支援機関で大丈夫?」と思ったら
登録支援機関は、登録されているからといって、すべての機関が同じ支援をしているわけではありません。
出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿には、2026年9月17日時点で11,615件の登録支援機関が掲載されています。
だからこそ、
「どこに頼むか」だけではなく、「実際に何をしてくれているか」
を見ることが重要です。
現在お付き合いしている登録支援機関について、
「面談はきちんと実施されている?」
「相談対応はしている?」
「相談記録は残っている?」
「日本語学習の支援はしている?」
「将来の資格取得について提案してくれている?」
「外国人のキャリアについて考えてくれている?」
一度チェックしてみてください。
もし確認してみて、
「思っていたより支援してもらえていないかもしれない」
と感じたのであれば、登録支援機関の変更を検討することも選択肢の一つです。
登録支援機関の「チェック」もご相談ください
L&C行政書士事務所では、特定技能の申請手続だけではなく、登録支援機関の支援業務についてのご相談も承っています。
「今の登録支援機関は、きちんと支援してくれているのか?」
「支援内容を一度整理して確認したい」
「登録支援機関を変更した方がよいのか?」
「外国人の日本語力をもっと伸ばしたい」
「資格取得や将来のキャリアについても考えたい」
このようなご相談もお気軽にお問い合わせください。
登録支援機関は、単に「外国人を受け入れるための外部業者」ではありません。
外国人が成長し、企業の戦力になっていくためのパートナーです。
だからこそ、支援費の金額だけではなく、
「実際にどんな支援をしてくれているのか」
という視点から、現在の登録支援機関を一度見直してみてはいかがでしょうか。

